PythonでPyQt5を使用し作成したQProgressBar（プログレスバー）値の更新を行ってみます。
QProgressBarウィジェットは、ファイル転送、ダウンロード、アップロードなどのコンピューターでの操作の進行を状況を視覚化することができますが、値を変更し、進行の状況変化を確認できるようにすることができます。
今回はPyQt5を使用します。PyQt5はPythonの標準ライブラリではないので、事前にインストールする必要があります。
■Python
今回のPythonのバージョンは、「3.8.5」を使用しています。（Windows10）（pythonランチャーでの確認）
■作成したQProgressBar（プログレスバー）値を更新する
では、早速PyQt5を使用し作成したQProgressBar（プログレスバー）値を更新するスクリプトを書いていきます。
■コード
import sys
from PyQt5 import QtWidgets
from PyQt5.QtWidgets import QApplication, QWidget
def update():
value = pro_g_bar.value()
pro_g_bar.setValue(value + 1)
def reset():
value = 0
pro_g_bar.setValue(value)
if __name__ == "__main__":
app = QApplication(sys.argv)
root = QWidget()
root.resize(300,300)
root.setWindowTitle('こんにちは、世界')
pro_g_bar = QtWidgets.QProgressBar(root)
pro_g_bar.setGeometry(50,50,250,30)
pro_g_bar.setValue(0)
update_button = QtWidgets.QPushButton(root)
update_button.setText("更新ボタン")
update_button.clicked.connect(update)
update_button.move(50,100)
reset_button = QtWidgets.QPushButton(root)
reset_button.setText("リセットボタン")
reset_button.clicked.connect(reset)
reset_button.move(50,150)
root.show()
sys.exit(app.exec_())
今回はsysモジュールと、importでPyQt5でQtWidgets、「from import」でPyQt5.QtWidgetsのQApplication,QWidgetを呼び出します。
呼び出した後に、QProgressBar（プログレスバー）値を更新させるために、def文を用いて、update()という関数を定義します。今回の関数を呼び出した時の処理は、value()を用いて、QProgressBar（プログレスバー）値を取得し、さらにsetValue()を用いて取得した値に算術演算子”+（プラス,加算）”で数値の「1」を追加していくものです。これで値が更新されます。
次に今回は更新したQProgressBar（プログレスバー）の値をリセットも行ってみますので、def文を用いて、reset()という関数を定義します。関数を呼び出した時の処理は、value変数を定義し、数値の「0」を格納します。格納後、setValue()を用いてQProgressBar（プログレスバー）値を数値の「0」にセットするものです。
その後に「if __name__ == ‘__main__’」で関数などをまとめたモジュールを作成します。
作成する内容は、app変数を定義し、QApplication()を用いて、QApplicationクラスのオブジェクトを作成し格納。格納後、root変数を定義し、QWidget()を用いてQWidgetクラスのオブジェクトを作成し格納。これはQtのすべてのUIオブジェクトの基本クラス。
格納後、resize()を用いて括弧内に任意のウィジェット（ウインドウ）のサイズを渡します。今回は300px×300pxを引数,パラメータとして渡します。
さらにsetWindowTitle()を用いて括弧内に表示させるウィンドウのタイトル（文字列）を渡します。今回は「こんにちは、世界」という日本語の文字列を引数,パラメータとして渡します。
ウィンドウのタイトルの設定を行った後に、今度はQProgressBar（プログレスバー）ウィジェットを作成します。pro_g_barという変数を定義し、QtWidgets.QProgressBar()を用います。括弧内には引数,パラメータとしてrootを渡します。これでQProgressBar（プログレスバー）ウィジェットが作成されます。
作成後、QProgressBar（プログレスバー）ウィジェットの位置とサイズを設定するために、setGeometry()を用います。括弧内に第1と第2の引数,パラメータとしてスライダーのX位置とY位置を渡します。第3と第4の引数,パラメータには、スライダーの幅と高さを渡します。
位置とサイズを設定後、setValue()を用いて、括弧内に引数,パラメータとして作成したQProgressBar（プログレスバー）の値（Value）を渡します。今回は「0」とします。
QProgressBar（プログレスバー）の設定後、update_button変数を定義し、QPushButtonウィジェットを作成し、setText()で表示させるテキスト（文字列）を指定し、clicked.connect()を用いてウィジェットをクリックした後に、update()関数を呼び出し処理を実行するようにします。ウィジェットの表示位置は、move()を用いて指定します。
さらに、reset_button変数を定義し、QPushButtonウィジェットを作成し、update_button変数を定義した時と同じようにします。ですが、この時、setText()で表示させるテキスト（文字列）と、clicked.connect()を用いて呼び出す関数を変更し、作成したウィジェットの設定を行います。
その後、show()を用いてウィジェット（ウインドウ）をモニター画面に表示させます。
最後にsys.exit(app.exec_())を用います。app.exec_()は、イベントのループを開始させることができます。さらにQtに制御を渡し、ユーザーがGUIからアプリケーションを閉じた時のみ、アプリケーションを終了となりますので、途中でイベントが終了することはありません。このsys.exit(app.exec_())を用いずに、実行すると、ウインドウがすぐに閉じてしまいます。
■実行・検証
このスクリプトを「qt_progressbar_value.py」という名前で、Pythonが実行されている作業ディレクトリ（カレントディレクトリ）に保存し、コマンドプロンプトから実行してみます。
実行してみると、ウインドウ内にQProgressBar（プログレスバー）が表示され、値を更新するために「更新ボタン」をクリックすると、QProgressBar（プログレスバー）の値を更新させ、QProgressBar（プログレスバー）を進行させることができました。
確認後、今度は「リセットボタン」をクリックすると、先程値が更新されて進行中のQProgressBar（プログレスバー）をリセット（値を「0」にセット）させ、プログレスバーを「0%」の表記にさせることができました。
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