Pythonでプライベート変数とメソッドを作成してみます。
Pythonでは、インスタンス変数、または関数（メソッド）へのアクセスを効果的に制限する仕組みがない。そのため、Pythonでは、保護されたプライベート アクセス指定子（クラスのメンバに対しての公開範囲を設定できる機能,スコープ（影響範囲））の動作をエミュレート（模倣）するために、変数、もしくは関数（メソッド）の名前の前に 1つまたは 2つのアンダースコア”_”を付ける規則が規定されている。
2つのアンダースコア”__” を付けると、プライベート変数になります。これは、クラスの外からその変数に触れない、またアクセスできないようにすることを強く示唆する。
■Python
今回は、Google Colaboratoryを用います。Google ColaboratoryのPythonのバージョンは、記事作成時点では「3.7.13」となっています。
■プライベート変数と関数（メソッド）を作成する
では、実際にプライベート変数と関数（メソッド）を作成してみます。まずは、プライベート変数から定義してみます。
※プライベートインスタンス属性という表現が出てきますが、インスタンス属性は設計図（クラス）で、設計図から実際に作られたものがインスタンスで、属性は空の箱のようなものであり、そこへ値を割り当てる。つまりは変数であるとも言えます。
■コード
class fruits:
def __init__(self, name):
self.__name = name #プライベートインスタンス属性
def display_fruits(self):
print("フルーツの名前: ", self.__name)fruits（フルーツ）というクラス（設計図）という定義します。定義後、コンストラクター（Constructor）を定義するために、def文と特別な名前である「__init__()」を記述します。さらに括弧内には、特別な引数,パラメーターであるself（自己）とnameという引数,パラメータを記述します。記述後、self（自己）に対して、ドット（.）演算子を用いて、__nameというプライベート変数を定義し、”=(イコール)”を用いてname変数の値を代入する状態にしておきます。
その後、def文でdisplay_fruitsという関数（メソッド）を定義し、括弧内に引数,パラメータとしてself（自己）を設定します。この関数が呼び出された時に実行される処理としてはreturnとして、self（自己）に対しての__nameのプライベート変数を返すというものです。
■オブジェクトを介してプライベート変数にアクセスする
■コード
f_object = fruits("バナナ")
f_object.display_fruits()
print(f_object.__name)今回はf_objectという変数を定義し、その中でfruits()を用いて、オブジェクトを作成するプロセスである「インスタンス化」を行います。その際に、括弧内に引数,パラメータと「バナナ」という値を渡します。
その後、作成したオブジェクトを介して、display_fruits()にアクセスしてみます。さらに、作成したオブジェクトを介して、__nameのプライベート変数にもアクセスしてみます。
アクセスしてみると、display_fruits()が呼び出され、__init__()でセットした__nameのプライベート変数にアクセスすることができました。これは、特別な引数,パラメーターであるself（自己）を用いているため、Python クラス内にあるプロパティと関数（メソッド）にアクセスできる。
ところが、作成したオブジェクトを介して直接__nameのプライベート変数にアクセスすると、「AttributeError: ‘fruits’ object has no attribute ‘__name’（’fruits’ オブジェクトには ‘__name’ という属性がありません。）」というエラーが発生し、アクセスできない。
■プライベートの関数（メソッド）を定義する
では、次にプライベートの関数（メソッド）を定義してみます。
■コード
class fruits:
def __init__(self, name):
self.__name = name #プライベートインスタンス属性
def __display_fruits(self): #プライベート関数（メソッド）
print("フルーツの名前: ", self.__name)
f_object = fruits("バナナ")
f_object.__display_fruits()先程のコードを変更し、def文で定義したdisplay_fruitsという関数（メソッド）を、2つのアンダースコア”__” を付けて__display_fruitsという関数（メソッド）にする。
その後、作成したオブジェクトを介して、__display_fruits()にアクセスしてみます。
アクセスすると、2つのアンダースコア”__” を付けたことにより__display_fruitsというプライベート関数（メソッド）が定義され、この関数は保護されており、「AttributeError: ‘fruits’ object has no attribute ‘__display_fruits’（’fruits’ オブジェクトには ‘__display_fruits’ という属性がありません。）」と出力されました。
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