Pythonで抽象クラスを使用してインターフェースを実装してみます。
なお、今回はabcモジュールを用います。abcモジュールは、Pythonの標準モジュール・ライブラリとなっていますので、事前にインストールする必要はありません。
■今回の環境（Python）
今回のPythonは、バージョン3.9.16を用いる。（なお、Google Colaboratory(Google Colab)を使用。）
抽象クラスと具象クラスの定義
では、早速抽象クラスを使用してインターフェースを実装するためにコードを書いていきます。
■コード
from abc import ABC, abstractmethod
# 抽象クラス（インターフェース）の定義
class Animal(ABC):
@abstractmethod
def make_sound(self):
pass
@abstractmethod
def move(self):
pass
# 具象クラスの定義
class Dog(Animal):
def make_sound(self):
print("ワンワン！")
def move(self):
print("歩く")
class Cat(Animal):
def make_sound(self):
print("ニャーニャー！")
def move(self):
print("走る")
# メインの実行部分
def main():
animals = [Dog(), Cat()]
for animal in animals:
animal.make_sound()
animal.move()
print("------")
if __name__ == '__main__':
main()ますは、abcモジュールからABCクラスとabstractmethodデコレータをインポートします。次にAnimalという抽象クラスを定義します。ABCクラスを継承しています。Animalクラス内にはmake_soundとmoveという2つの抽象メソッドがあります。これらのメソッドはサブクラスで実装する必要があります。
次にDogクラスを定義し、Animalクラスを継承します。そしてmake_soundメソッドとmoveメソッドをオーバーライドします。同様に、Catクラスを定義し、Animalクラスを継承します。そしてmake_soundメソッドとmoveメソッドをオーバーライドします。
その後、def文を用いてmain関数を定義します。animalsというリストにDogとCatのインスタンスを格納します。forループを使用して、リスト内の各動物のインスタンスに対して処理を実行します。処理については、make_soundメソッドを呼び出して、動物の音を出力し、moveメソッドを呼び出して、動物の移動方法を表示します。さらに”——“を出力して、各動物の処理が区切られることを示します。
最後にif __name__ == ‘__main__’:を用いてmain関数を実行します。
■実行・検証
このコードセルを保存し、Google Colaboratory上で、セルを実行してみます。
実行してみると、抽象クラスを用いてインターフェースを実装し、サブ（具象）クラスでメソッドをオーバーライドし、各動物の処理が実行され、出力されることを確認できました。この結果より、共通のインターフェースを持つ複数のクラスを扱う際に、一貫性と柔軟性を保つことができることがわかります。
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